お彼岸と言えば「おはぎ」を思い浮かべる人が多いと思いますが、なぜお彼岸におはぎを食べる習慣があるか知っていますか?
お供え物にするため?それだけでしょうか。
その理由を知ると、より一層おいしく食べることができますよ( *´艸`)
ちなみに、似たものに「ぼたもち」がありますよね。
おはぎとぼたもちの違いや、粒あんとこしあんの違いについても、せっかくなので確認してみましょう。
お彼岸におはぎを食べる理由は?
邪気を払うため
お彼岸は、あの世(彼岸)とこの世(此岸)が最も近くなる日。
小豆の赤色には邪気を払う効果があることから、邪気払いとして小豆を使った料理を食べるようになったそうです。
そのため、地域によってはおはぎではなく、赤飯をお供えしたり食べたりするところもあるようです。
ご先祖様にお供えするごちそうとして
昔は砂糖や小豆は高級品でした。
そんな、めったにお目にかかれない高級品=おごちそうをご先祖様にお供えすることで、これからも家族を見守ってくださいとお願いしたのが始まりという説もあります。
おはぎとぼたもちの違いは?
食べる時期による
「おはぎ」と「ぼたもち」は基本的には同じもので、食べる時期によって呼び名が変わります。
春に食べる時は「ぼたもち」。秋に食べる時は「おはぎ」。
というのも、それぞれを漢字で書くと「ぼたもち=牡丹餅」「おはぎ=お萩」です。
どちらも植物の名前が入っていますよね。
●ぼたもちが「牡丹餅」な理由は?
ぼたもちは、牡丹の季節である春のお彼岸に食べることから、「牡丹餅=ぼたもち」という名前がつけられています。
※牡丹は品種によって開花時期が異なりますが、4~5月開花が一般的で、ピンクや白などの大きな花を咲かせます。
●おはぎが「お萩」な理由は?
おはぎは、萩の季節である秋のお彼岸に食べることから、「お萩=おはぎ」という名前になりました。
※萩は7月~10月に紫色の小さな花を咲かせるマメ科の植物です。
春も秋も「おはぎ」に統一?
食べる時期によって名前を使い分けられてきた「おはぎ」と「ぼたもち」ですが、今ではどちらも「おはぎ」と呼ばれることが増えているようです。
とはいえっても、地域によってはもともとどちらも「おはぎ」と呼ばれていたりするところもあったり、周囲のあんこがきな粉のものも「おはぎ」と呼んでいたりするところもあるようで、地域差が大きいようですよ。
おはぎは粒あんとこしあんどっち派?
おはぎを見ると、「粒あん」と「こしあん」のものがありますよね。
好みで選んだらよいのでしょうか?
実は、これも「おはぎ」と「ぼたもち」の違いに関係していて、「おはぎ=粒あん」で「ぼたもち=こしあん」とされています。
おはぎが粒あんを使う理由は色々な由来があります。
●小豆のコンディション
小豆は秋のお彼岸の頃に収穫されます。
そのため、秋のお彼岸には、新鮮で柔らかい状態の小豆を皮のままつぶして「粒あん」として食べられます。
一方、春のお彼岸の頃になると、収穫から日が経ち小豆がかたくなってしまっているため、皮を除いて「こしあん」にして食べるのです。
●見た目を似せるため
おはぎは、萩の花に似せて粒々が残る「粒あん」に。
ぼたもちは、牡丹の花に似せてつるっとした見た目になるよう「こしあん」をまとわせてあります。
大きさも、萩の花は小さいため「小ぶり」に、牡丹の花は大きいため「大ぶり」に作られています。
まとめ
お盆におはぎを食べる理由が「邪気を払うため」というのは意外でしたよね。
また、おはぎは「萩の花=秋」、ぼたもちが「牡丹の花=春」という季節によって名前が変わるというのは、日本ならではの四季と日本人ならではの繊細さを感じるものです。
今年の秋のお彼岸には、ぜひ、そうした意味や四季を感じながら食べると一味違ったおいしさを感じられますよ。