9月~10月頃、鼻水や喉のかゆみの症状で病院に行くと、ブタクサアレルギーと診断される人が多くいます。
秋の花粉症の一つのようですが、ブタクサって何なのでしょうか?
どんな症状が出て、いつまで続くのか、早速確認してみましょう。
秋の花粉症ブタクサアレルギーとは?
ブタクサとはどんな植物?
ブタクサはキク科の植物で、全国的に生育しています。
道路わきや公園、河川敷などによく生えているため、名前は知らなくても見たことがある人は多いのではないでしょうか。
背丈は100㎝ほどで、8月~10月に花を咲かせ、その花粉がアレルギーの原因となります。
というのも、ブタクサは花粉を飛散することで繁殖する風媒花の植物です。
一般的な花は、ハチやチョウなどの昆虫を色鮮やかな花の色や香り、蜜で誘い、昆虫を介して受粉をしますが、風媒花は昆虫の力に頼らず風で花粉を飛ばし、受粉をします。
その分、花粉を大量に生産し、風に舞いやすいような形状になっており、周囲が煙って見えることもあるほど花粉を飛散させます。
自力で花粉を飛ばすため、昆虫を誘うような花の色や香りはなく、写真のように地味な見た目となっています。
ブタクサアレルギーって何?
簡単に言うと、体がブタクサの花粉を異物(アレルゲン)として捉えて、体の外に排出しようとすることで起こる反応です。
花粉が体内に侵入すると、くしゃみや咳で花粉を外に吐き出し、鼻水や涙で体の中に入った花粉を洗い流し、鼻詰まりを起こすことで花粉が鼻の中に侵入しないようにしたりするような反応を示します。
つまり、アレルギー反応は、異物から身を守るための体の正常な反応なのです。
とはいえ、実際は、花粉を少し吸い込んだくらいで何か問題が起こるものではありません。
逆に、過剰に起こりすぎたアレルギー反応の方が体を疲弊させてしまいますよね…。
こうした過剰反応を押さえるために飲むのがアレルギーの薬なんです。
ブタクサとセイタカアワダチソウは同じ?
ブタクサと似たような植物に、セイタカアワダチソウというのがあります。
生えている場所も道路わきや公園、河川敷と似ているし、背丈が高くて黄色い花を咲かせる点も似ています。
ですが、全くの別物です。
写真を見比べてみると別物であることは一目瞭然ですよね。
ちなみに、セイタカアワダチソウも花粉をまき散らしそうに見えますが、風で花粉をまき散らすようなことはありません。
セイタカアワダチソウは、虫媒花という、昆虫を媒体にして花粉を運ばせ受粉する性質のため、花粉を飛ばす必要がないのです。
そのため、ブタクサのように花粉症を引き起こすこともありません。
秋の花粉症ブタクサアレルギーの症状は?
咳やぜんそくが出やすい
主な症状は、目のかゆみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状で、春の花粉症と変わりはありません。
特徴的なものといえば、花粉の粒子が細かいことからのどの奥まで入り込み、咳やぜんそく、声枯れなどを起こしやすいという点です。
別名「ぜんそく草」という名もあるほどですので、のどへの侵入は避けたいものですね。
口腔アレルギー症候群に注意
ブタクサ花粉症の人が特定のフルーツや野菜、ナッツなどを食べた際、口の中にアレルギーが起こる可能性があります。
メロン、スイカ、バナナ、キュウリ、ズッキーニなどは、ブタクサの花粉(アレルゲン)と構造が似ていることから、体が勘違いして口の中でアレルギー反応を起こしてしまうのです。
アレルギーが起こると、唇のしびれや違和感、喉が痒くなる、顔面が腫れる、呼吸がしづらく感じるなどの症状が表れます。
ひどい場合は、じんましんや呼吸困難などの症状が出るアナフィラキシーショックを起こす可能性もあるため注意が必要です。
ブタクサの花粉はいつまで飛散する?
花粉が飛散するのは、花が咲く8月~10月頃です。
花を咲かせて、花粉を風に乗せて飛ばそうとするため、要注意な時期です。
地域によって、若干シーズンが異なるため、下記表を参考にしてくださいね。
※ブタクサやその他アレルギーの原因となる植物のシーズン表はこちら
ブタクサアレルギーのまとめ
「そういえば、近くの駐車場や公園で見かけたことがある…」という人は多いのではないでしょうか?
あの花(雑草)が原因だったなんてショックですよね。
とはいえ、原因が分かれば対策がとれるようになります。
今年の花粉症を少しでも軽く、短くできるように対策をとっていきましょう。